今年プレイした(発売ではない)ゲームのマイベスト。連番を振っているけど、順位とはあまり関係ありません。去年のベストでは最後までクリアできなかった作品を除外していましたが、今年はそういう作品も入れることにしました。最後まで到達しなくても好き、というのは普通に”ある”感情だったので。
BESTの前に宣伝させてください。
Word Sculpture Museum
2025年は、Word Sculpture Museum というゲームを作りました。全100問のひらめき系謎解き集です。
彫刻(建造物)をよく観察し、その彫刻に”何らかの方法で”記述されているタイトルを当てましょう。一問一答方式で、トータルプレイ時間は10時間以上です。(数か月かかった方も普通にいます)
普通のFPSゲームのようにPCから無料でプレイできるのですが、VRChatというプラットフォームを使っているので、導入の手間と慣れが必要な点で若干とっつきづらいです。が、自信作なのでぜひ遊んでみてください。おかげさまで訪問人数は延べ7400人を超え、非常に好評をいただいています。
これを「VRに別に興味ないから」「登録とか面倒だから」というだけで知らないまま終わるのはもったいない!繰り返しますが、VR機器が無くても遊べます!
BEST 10
1. Type Help
日本語対応。文章のみで進行していく探偵謎解きミステリー。Return of the Obra DinnやHer Storyのスタイルを踏襲しつつも、全く新しい回答方式を生み出している点が素晴らしい。Galley Houseで起こった不可解な事件の情報にアクセスするためには、あなた自身がこの事件の真実を一歩ずつ解き明かしていかねばいけない。状況整理用のメモは別途必要になるけれど、情報へのアクセスそのものはゲーム内メニューで過不足なく行えるUIデザインの感覚もナイス。
今年は他にThe Rise of the Golden Idol, IMMORTALITYなどの推理モノ、考察モノをプレイしたが(都市伝説解体センターはプレイしてません)、Type Helpがミステリーを解き明かした達成感としては頭一つ抜けていた印象。Steam版も開発中とのことです。
2. The Boons of IIUIR
今年知名度が一気に広まった”メトロイドブレイニア(知識アンロックゲーム)”と呼ばれるジャンルの1つ。本作はその中でも短時間で様々なアハ体験が発生する幸福度の高い一作。
作者のLate Nineは今年様々な視点のパズルを作成していたので今後も要チェックです。Grundriss(2024)は、不思議なリンクを作り出している部屋から脱出する短編謎解きパズル。面白かったです。
3. Gentoo Rescue
壁にぶつかるまで滑り続けるスライド系パズルの最新版。というと、PortponkyのOnly Slidingも同様の作品だが、こちらが基礎ギミックの面白さのみで構成しているのに対し、Gentoo Rescueは多数のアイテムの盛り合わせで構成していた。
開始早々にこの世界が入れ子構造のマップであることを明示し、絶対にアクセスできない箇所にパズルの入口を配置することで「このゲームは”やって”いる」ことを宣誓している点が最近のパズルゲームっぽい。多数のアイテムとキャラクター、そして入れ子構造の全ての掛け合わせをパズルとして出し切る非常にボリュームのある作品でありながら、プレイヤーに対するサポートが手厚く、ヒント機能や、”プレイヤーが過去に発見した挙動の一覧”がいつでも閲覧できるようにするなどの丁寧な工夫が練り込まれている。総じて、パズルは難しくはあるが、プレイヤーを見捨てないようにデザインをしている良い作品。
4. KEY LOCK (2023)
プレイヤーが二人以上いないと遊べない協力型の脱出ゲームワールド。VRChatには様々な謎解きワールド、脱出ゲームワールドがありますが、その大半は、壁に一枚謎が貼ってあるだけだったり、現実の脱出ゲームのようにアイテムを持ち歩いて想像の範囲の利用をするものが多い印象です。本作は「ポラロイドカメラ」というアイテムを使う、デジタルゲームでしか不可能な独自のギミックがめちゃくちゃ衝撃でした。パズル関係なくこのギミックが面白過ぎた。VRChatのゲームワールドの中で、VRならではという点でこのワールドを超えることはなかなか無いと思いました。
5. In a PiCKLE
硬派な3D倉庫番亜種。パズルデザインが洗練されすぎていて驚きました。Stephen's Sausage Roll系の歯ごたえがあるピクルスのゲーム。それぞれの小島に上陸すると自動で設定されるリセットポイントをうまくハックし、次の島へ渡れるようにピクルスの足場をうまいこと配置するゲーム。いやー、すごい。色分けされた箱の視認性も良く、斜め視点なのに操作に別に不自由しなかったUI/UXもグッド。
6. nuworm
こちらも良質なパズル体験。あれやこれや試行錯誤するというよりは、一点を解くことで突破できるデザインとなっているため、プレイヤーが不必要に悩む必要がないという点が見事。パズルゲームなのに”悩む要素を削る”という矛盾するようなこういったレベルデザインパターンは近年洗練されている分野なので個人的にウォッチしていきたい。
7. In this Secret Garden, Chromatic Fractures
主人公は灰色、赤色、水色の3属性に変わることができる。赤色のときには赤色の物体しか干渉できず、水色も同様。灰色は赤色、水色のどちらにも干渉する。つまり、1つの画面でありながら、2枚のレイヤーが重なった状態で倉庫番を行うショートパズル。似たギミックの作品はいくつかあるが、パズルとして良い問題が多かったので印象に残っている一作でした。
8. Offline Restored Mod (Islands of Insight, 2024)
まだ味する。有志のmodにより、本編で実装されなかった新ルールや新パズルがプレイできるように。さらに難易度フィルタ機能も搭載しているので、残った星パズルだけを全部遊ぶ、みたいなプレイもようやく可能に。この開発スタジオの次回作 The Artisan of Glimmithもペンシルパズルがテーマということで超期待してます。
9. Strange Jigsaws
ジグソーパズルをテーマにした、奇妙なパズル集。前作の20 Small Mazesと同様に、様々なアイデアでプレイヤーを楽しませてくれる。最後まで面白さを保ったまま突き抜けてくれるので非常に満足感が高い一作です。Chants of Sennaarの真エンドでも思ったのですが、たった数秒しかない演出でありながらも、作者がプレイヤーに見せたいのってこのシーンだったんだ!?このシーンのために数時間かけて謎を解いてきたんだ、という達成感、カタルシスを感じられたので非常に心に残っている作品です。
ルール文が英語なので、それを読める程度の英語力が必要です。音声字幕はONにするオプションがあります。
10. Golden Arrow
その指した方向に勝手に移動してしまう矢印たちを、指定した位置へ届ける倉庫番。最近主流な「ひらめけば解けるパズル」とは異なり、じりじりとゴールに向かってトライアンドエラーを続けていく、昔堅気な複雑な難しさを持つ作品。作者自身が公言しているとおり、Stephen's Sausage Roll, Snakebird, ゼリーのパズルのような、何か1手間違えると詰んでしまうゴリゴリな歯ごたえと、何か1手進めることで視界が全てパッと開かれる快感を求める人向け。
NEXT (11-20)
11. 0PLAYER
「ルール推測系パズルブック」というサブジャンルが活発です。正誤判定や真のルール理解も含め、全てをプレイヤーの頭脳に委ねるというスタイルのため、通常以上に作問のクオリティが問われる難しいジャンルではありますが、様々なクリエイターが挑戦している印象です。解答がユニーク(唯一解)であるというルールがスタンダードなため、ペンシルパズル的なグリッドパズルになっているものもありますが、本作はその中でも比較的”パズルゲーム”的な文脈に近いため、とっつきやすい一作。
また、スプレッドシート形式で登場したCounterspaceも今年の作品です。49の小部屋をすべて解放し、文字のルールを解き明かしましょう。
スプレッドシートだと、ビデオゲーム開発ほどの作業の必要もなく、かといってすべてをプレイヤーに丸投げするわけでもなく、正誤判定のチェックを自動で実行してくれるという、ちょうどいいとこ取りをしたようなスタイルを取っています。アリ。
12. 文字のない世界のパズルゲーム (2024)
楽しく遊べた記憶がある。タイトル通りのルール解読ゲーム。
13. Inkwell Games
毎日スマホで遊んでる日替わりペンシルパズル。Fieldsで”?”が追加されてから、週末の難度がかなり上がったよな……。Daily AkariやThinky Dailiesもやっているけど、こっちはUndoが無かったりタップ数が多かったりで、面白いけど快適さにまだ課題がある感じ。
14. Forest Walk とその仲間たち
PuzzleSquare JPで5月ごろに急にブームになったフォレストウォークをはじめとする○○○ウォークの一連のシリーズがランクイン。なんで流行ったんですか?
15. Öoo
君はレベルの取捨選択がうまい!
作者インタビューにあるように、爆弾総数を3から2に減らしたり、冗長なチャプターを丸々1つ削除したりと、引き算の視点が上手。メインルートは簡単に、エクストラは様々なギミック(初出も含む)の応用、という難易度調整もいい感じでした。
各トロフィーの元ネタについてのコミュニティでの議論を横目で見てて、ほなやるか、と思いたち、ゲームの内部データを解析して、全トロフィー一覧をSteamガイドとして公開したり、ゲーム外部も含めてトータルで個人的に楽しんだ作品。
16. The Talos Principle: Reawakened
新ワールド「In the Beginning」も良かったし、ユーザーカスタムワールドがたくさん遊べるのも良いです。Serious Engineを使ってカスタムマップを作っていた頃からここまで長かった…。製作者のオーディオコメンタリーも充実していて、私はMILTON君のことが好きになったよ。
17. Unwin (2024)
時間軸操作系のパズルを作っているPatashuによる、1スクリーンしかないJam作品。このゲームは、スクリーン上のすべてのスターを集めることが目的であり、一度取得したスターは盤面をアンドゥしても恒久的に取得済み状態となる。のだが、このゲームは通常の倉庫番操作に加え、”Unwin”コマンドが追加されている。この”Unwin”コマンドを使うと、「直近で取得したスターを取得していない状態に戻す」ことができる。つまり……”元に戻す”という操作が、「スター」と、「スター以外の全て」とを完全に別操作で行うことが出来てしまう。この2つの時間軸レイヤーが重なった状態から、何をしていけばいいのかを考えていかないといけないパズル。一言で言うと難しい。アイデアの元ネタに5 Step SteveやMaxwell's puzzling demonといったメタResetのギミックを含むパズルが挙げられているのも納得。作者は、今年の同JamではForever Wonder Colourを公開した。こちらも、「主人公の全操作がリプレイされるが、さっきの自分が動かした箱は位置が変わった状態を維持する」嫌らしいギミックで攻めてきます。多次元時間軸が好きな人はプレイしてみては。そんな人類いねーか。
18. X'BPGH (Last Call BBS, 2022)
肉塊を増殖させたり骨や臓器に変形させたりできるキショいアクションを選んで、アクションの実行順を入れ替えるだけでアウトプットが変化するZachtronics謹製お手軽プログラムゲーム。最初は簡単で、後半は難しくなる塩梅が良かったです。たった11ステップしかないので複雑になりすぎることも無く、それでいてトリッキーなゴールを作らなければいけないヤバさが存在しました。エクストラは恐くてやってません。
19. Dragonsweeper
ローグライクマインスイーパー。これは面白かった!戦略がちゃんと存在するので、運要素で悩まされる場面はほとんど感じられず。サクっとできるのでオススメです。
20. 「暑すぎて大喜利なんて出来ないよ・・・」みんな「お題も回答も考えてあげるよ!!」
この動画内で起こっている基本ルールからの拡張・変形のグルーヴ感って、体験としても理想的だな~と思った。上で上げた0PLAYERやWorkworkworkを含む、ルール推測系PDFパズルって結構こういう作り方してるんだよね、実は。メトロイドブレイニアもそうなんだろうな。あとはそれぞれの密度や品質や好みによるものであって。「グルーヴ感」……他のゲームには存在しているのに、なんだかパズルゲームにはこれが欠けている、ような?だんだん盛り下がっていくパズルゲームのカギってこれなのかもしれないな。
終わり
このブログは年1回更新になってしまっていますが、Patreonでは、だいたい月に1,2回、そのときにプレイしたゲームの本音レビューを読めます。Steamレビューに残していないテキストもあるので、そういう情報が欲しい人はぜひこちらへ。また、「このゲームイマイチだった…」という、私がイマイチなリアクションをしているお蔵入りの動画を、たまにPatreon限定として公開しています。物好きな人はぜひ。
2025年の全ゲーム振り返りのフル版はこちらから。
作成した全ゲームのTier表はこちら。
おわり。